「事務職に転職したいけど、どうしても『やりがい』が分からない…」「転職の志望動機を書きたいけど、『やりがい』が分からないから書けない…」という悩みを抱えておられる方も多いと思います。
実は、事務職にはたくさんの「やりがい」に溢れています。
事務職の仕事はパソコン作業だけではありません。社内・社外の関係者と密にコミュニケーションをとる。先を読んで自分でタスク管理を行うなど。事務職の仕事内容は多岐に渡ります。
そのため、仕事を経験する中で多くのやりがいを感じられるのが事務職の特徴です。
この記事では、転職の面接で「やりがい」をうまくアピールする回答例について書いていきます。また、私自身の体験と事務職の同僚から聞き取った事務職の「やりがい」もご紹介します。
読み終えていただければ、事務職のやりがいが分かり、転職へのモチベーションが
上がりますよ。
目次
事務職の仕事で「やりがい」を見つけるのが難しい理由
事務職はバックオフィス型の働き方です。そのため、働く姿を想像しづらく「やりがい」を見つけるのが難しい傾向にあります。
私も事務職として働きだした当初は、この仕事の何が楽しいのか理解できませんでした。パソコン作業を淡々とこなして一日が終わり、スキルが身についた実感もない。もちろん、やりがいも感じない。こんな仕事でいいのかと疑問を感じたこともありました。
しかし、事務職として働いて15年経った今は、多くのやりがいを感じながら働けています。
事務職はどうしてもパソコン作業を淡々と行っているというイメージが先行しています。そのため、経験してみないとやりがいを見出すことが難しいのです。
事務職の仕事には多くのやりがいがある
事務職には以下のようなやりがいがあります。
・仕事の取引先から感謝される
・仕事の効率を上げる工夫ができる
・チームワークを大切にできる
これらのやりがいを私の実体験も踏まえながら、ひとつずつ解説していきます。
やりがい①:他の社員から感謝される
事務職は会社の縁の下の力持ちです。社内のいろんな人とやり取りする機会も多く、人の役に立てる場面が多々あります。
営業の担当さんから急な事務処理をお願いされたときのことです。請求書の処理を忘れていたそうで、明日中に取引先に支払いしてほしいと言われました。
他の仕事を後回しにして大急ぎで処理したところ、その担当さんがお礼にとランチをご馳走してくれました。
小さいことではありますが、誰かの役に立てたと実感できると心の底からやりがいを感じられます。
やりがい②:社外の人から感謝される
事務職は社外の取引先とのやり取りも多く、社外の関係者から感謝される場面も多々あります。
取引先から資材の発注依頼を受けたときのことです。通常なら納品に1週間はかかるところ、どうしても明日には納品してほしいと言われ、社内の職人さんに無理をお願いして製造してもらいました。
その後、取引先の担当の方がわざわざ訪問してくださり、直接感謝をお伝えいただいたことがあります。
社内・社外問わず、誰か困っている人のために懸命に対応すれば、必ずやりがいとなって返ってきます。
やりがい③:仕事の効率を上げる工夫ができる
事務職の仕事の多くは事務処理を行うことです。見積書・請求書の発行、在庫管理、経費管理、労務管理など。仕事の効率を上げるアイデアをすぐ実践できる点も事務職の楽しさのひとつです。
私の会社では見積書と請求書を別のExcelデータですべて手入力して作成していました。かなり非効率だと感じたため、データベースに入力すれば自動的に資料を作成できるファイルを作成したところ、チームメンバーから高く評価されました。今では社内で当たり前のように使用されています。
試してみた効率化の取り組みが評価され、他のメンバーに共有されると自信が持てますし、やっぱりうれしいですね。
やりがい④:チームワークを大切にできる
事務職は意外とチームワークが大切になります。事務処理は締切を厳守する必要があるため、メンバー間でフォローし合いながら仕事を進めます。メンバーとコミュニケーションを取ることも事務職の楽しさのひとつです。
現在は4~5人の事務職のメンバーと働いています。取引先とトラブルになった際、自分ひとりで対応せず、先輩と対応を相談しながら乗り越えました。当時は大変でしたが、今では「あのときは大変だったね」と笑いのネタにしています。
大変な仕事をチームワークで乗り越えると、代え難いやりがいを感じられますね。
事務職のやりがいを志望動機に反映しよう
事務職への転職において、採用担当者が気になるのは「なぜ事務職なのか?」という点です。
私も自社の採用担当に聞いたところ、事務職を志望する人は「楽そうだから」という安易な理由で応募してくる人が多いそうです。
そのため、「なぜ事務職なのか?」という点が明確に伝わらないと、どうしても採用をお見送りするとのこと。
そこで大切になるのが「やりがい」です。やりがいをうまく伝えられると、事務職という仕事をしっかり理解しており熱意をアピールできます。
志望動機を書く上でのポイント
事務職へのやりがいを志望動機に絡めて熱意をアピールするためには、以下の流れで書くと説得力ある文章を書くことができます。
②事務処理の経験→事務職への興味
③事務職で求められるスキルの提示
④現職でのスキルを事務仕事に活かしたい
現職でやりがいを感じているものの、事務処理を経験して事務仕事を追求したくなった。事務職は〇〇のスキルが重要である。そこで、現職のスキルを活かして貴社に貢献したい、という流れですね。
事務職に興味を持ったきっかけを書いて「なぜ事務職なのか?」をクリアしつつ、「事務職に求められるスキル=やりがい」を書いて熱意もアピールしましょう。
事務職のやりがいを含めた志望動機の例文
事務職は、①人とのコミュニケーション、②仕事の効率化、③チームワークという大きく3つのやりがいを感じられる仕事です。やりがいをうまく志望動機に含めると、説得力のある文章が作成できます。
3つのやりがいを絡めた志望動機の例文を以下にご紹介します。
例文①:「人とのコミュニケーション」を使った志望動機
私は販売職としてさまざまなお客様と接し、感謝の言葉をいただいたり、笑顔になってもらうことにやりがいを感じていました。
一方で、付随する業務として経費精算、数値管理、伝票処理、在庫データベース入力などの事務処理に携わることに楽しさを感じるようになり、事務職への転職を考えるようになりました。
事務職はコツコツと事務処理を行う一方で、周囲との連携も重要になる仕事であると考えております。
接客で培った対人スキルを活かし、周囲とコミュニケーションをとりながら業務を効率よく行い利益拡大に貢献したいと思い志望します。
例文②:「仕事の効率化」を使った志望動機
私は法人営業担当としてさまざまなお客様と商談を重ねると共に、経理や財務の仕事にも携わりました。
お客様と信頼関係を構築し、ライフステージに合わせた商品を提案することににやりがいを感じていた一方で、事務処理の速さや正確性を追求することによる業務の円滑化・効率化に楽しさを感じることが多くなり、事務職への転職を考えるようになりました。
事務職は多くの業務を同時並行で処理する必要があるため、業務効率化の追求が欠かせない仕事であると考えております。
現職で培った経理の経験を活かし、効率的な業務遂行に貢献したいと思い志望します。
例文③:「チームーワーク」を使った志望動機
私は個人向け営業職としてさまざまお客様と商談を重ねると共に、見積書などの書類作成、売上などのデータ集計、丁寧なメールの対応など入念な準備に注力し自社商品の売上に貢献してまいりました。
準備に力を入れる中で、担当者が営業活動を円滑に進められる環境づくりや、営業活動をサポートする仕事にやりがいを感じるようになりました。
事務仕事は個人ではなく、チームで遂行することが重要であると考えております。
現職で培ったサポート力を活かし、貴社のチームの一員として利益の拡大に貢献したいと思い志望します。
面接で事務職のやりがいを聞かれたら
面接で急に「事務職のやりがいは何だと思いますか?」と聞かれると、答えが出てきませんよね。しっかり準備しておくことが大切です。
現職のやりがいと事務職に求められるスキルをしっかり整理できているとサラサラ答えられます。
やりがいを聞かれたときの回答例
①人とのコミュニケーション、②仕事の効率化、③チームワークの3つのやりがいを使用した回答例をご紹介します。
回答例①:「周囲とのコミュニケーション」にやりがい
事務職のやりがいは何だと思いますか?
はい。私は事務職のやりがいは「周囲とのコミュニケーション」であると考えております。事務職はコツコツと事務処理を行う一方で、周囲と連携しながら円滑に業務を進めることも大切だと考えているためです。
現職では販売職としてさまざまなお客様と接し、感謝の言葉をいただいたり、笑顔になってもらうことにやりがいを感じていました。
御社においても、接客業務で培った対人スキルを活かし、周囲とコミュニケーションをとりながら、業務を効率よく遂行することにやりがいをもって活躍したいと考えております。
回答例②:「業務の効率化」にやりがい
事務職のやりがいは何だと思いますか?
はい。私は事務職のやりがいは「業務の効率化の追求」であると考えております。事務職は多くの業務を同時並行で処理する必要があり、業務効率化の追求が欠かせない仕事であると考えているためです。
現職では法人営業担当としてさまざまなお客様と商談を重ねると共に、経理や財務の仕事にも携わりました。
お客様と信頼関係を構築し、ライフステージに合わせた商品を提案することにやりがいを感じていた一方で、事務処理の速さや正確性を追求することによる業務の円滑化・効率化にやりがいを感じることが多くなりました。
現職で培った顧客折衝や経理の経験を活かし、効率的な業務遂行にやりがいをもって活躍したいと考えております。
回答例③:「チームワーク」にやりがい
事務職のやりがいは何だと思いますか?
はい。私は事務職のやりがいは「チームワーク」であると考えております。事務仕事は個人ではなく、チームで遂行することが重要であると考えているためです。
私は個人向け営業職としてさまざまお客様と商談を重ねると共に、見積書などの書類作成、売上などのデータ集計、丁寧なメールの対応など入念な準備に注力し自社商品の売上に貢献してまいりました。
準備に力を入れる中で、担当者が営業活動を円滑に進められる環境づくりや、営業活動をサポートする仕事にやりがいを感じるようになりました。
現職で培ったサポート力を活かし、貴社のチームの一員として働くことにやりがいをもって活躍したいと考えております。
やりがいを聞く採用担当者の本音
採用担当者が面接で「やりがい」を聞く理由は、応募者の本音を探りたいからです。
・仕事内容や企業文化にマッチするか見極めたい
ひとつずつ解説していきます。
仕事へのモチベーションや価値観を知りたい
事務職は仕事に対する成果が見えにくい職種です。事務処理を淡々とこなすことがメインとなるため、どうしてもモチベーションが上がらず、やりがいを見出せない人がいるのも事実です。
採用にはお金も時間もかかるため、すぐ退職されると企業側もかなりの損失があります。そのため、事務職へのやりがいを尋ねることにより、入社後、意欲的に仕事に取り組めるのか、成果を上げて活躍してくれる人材か見極めようとしているのです。
やりがいを具体的にアピールして、担当者に安心してもらえると採用につながります。
仕事内容や社風にマッチするか見極めたい
事務職に対してやりがいを感じていても、仕事の進め方が合わなかったり、社風に馴染めなかったりすると、モチベーションの低下につながります。
ミスマッチによる早期離職を避けるためにも、採用担当者としては自社との相性を見極めたいのです。
やみくもにやりがいを話すのはNGです。企業をしっかり研究し「この会社でないといけない理由」をアピールすることが大切になります。
未経験から事務職への転職を目指すなら
事務職は非常に人気が高く、独力で転職活動を行うのは非常にハードルが高いです。
未経験から事務職への転職を目指すなら、必ず転職エージェントを頼りましょう。特に、未経験からの事務転職に強い転職サイトに登録し、専門のエージェントの力を借りるべきです。
しかし、転職サイトも数多くあります。やみくもに登録しても情報過多となり、余計に転職が遠のいてしまいます。必ず「未経験」「事務職」という2つに強い転職サイトを利用しましょう。
以下の記事におすすめの転職サイトをまとめていますので、ぜひご覧ください。
事務職のやりがいを同僚に聞いてみた
周りの同僚に事務職へのやりがいを聞いてみました。
労務担当として、会社の環境改善をなどを行っています。周りの人が働きやすい環境を自分がつくっていると思うと、本当に「縁の下の力持ち」になれた気がします。
営業さんから資料の作成を依頼されたら、当日か翌日には提出するようにしています。相手の期待を超えることにやりがいを感じています。
自分が作成した資料が社長の手に渡り、気づいたら大型案件の交渉に使われていました。初めて知ったときは驚きましたが、感動しました。かなりモチベーションが上がりましたね。
前職は販売でした。お客様ありきの仕事なので自分のペースで働けず、毎日イライラしたような気がします。今は静かな環境で集中して仕事ができるので、モチベーションにもつながっています。
チーム内で相談したり相談されたり。チームワークを実感できると楽しいですね。
伝票を処理したり、書類を整理したり、乱雑なものを1つずつ処理して整理していく。自分の成果が目に見えて積み重なっていくのでやりがいを感じます。
人によってさまざまな形でやりがいを感じていました。「事務職はやりがいがない」という声も耳にしますが、結局は働く人の気持ち次第です。
真摯に仕事と向き合っていれば、必ず達成感もやりがいも感じられるということです。
事務職はプライベートにもやりがいを感じられる
事務職はプライベートが充実しやすい仕事です。勤務時間が固定されているケースが多く、他の職種に比べると残業も少なめです。さらに、座って仕事することがほとんどのため、体力的にも余裕ができます。
そのため、趣味や家族との時間も確保しやすく、仕事以外にもやりがいを感じられます。
私の同僚も仕事後に野球をしたり、ギター教室に通ったり、資格獲得に向けてスクールに通ったり、いろんな形でプライベートを充実させていますよ。
まとめ
それでは、この記事の大事なことをまとめていきます。
・事務職のやりがいを志望動機に反映すれば転職はうまくいく
・現職でのやりがいと事務職に興味をもったきっかけをうまく絡めて志望動機を書くべき
・採用担当者の本音を知って、やりがいは具体的に答える
ということで、事務職にはたくさんの「やりがい」で溢れているということです。未経験から事務職への転職を考えているなら、事務職のやりがいをしっかり理解して志望動機に反映させましょう。現職で培ったスキルと事務職への興味のきっかけをうまく志望動機に絡めることができれば、きっと転職はうまくいきます。
事務職は楽しいことがたくさんあります。ぜひ、興味があれば事務職に挑戦してみてください!